中綴じ製本とは。できること・できないこと、やり方
平田提Share
ZINEをつくるときに考えたいのが「どんな本の形にするか」です。「佇(たたず)まい」のようなもの。背表紙があるのか。紙の手触り、厚み、開いたときの感じ。それに大きく影響するのが「綴じ方」です。
印刷通販やZINEで主要な綴じ方は大きく分けて2つ。1つ目は中綴(なかと)じ。背をステープラー(ホッチキス)でとめて折る綴じ方です。2つ目は無線綴(むせんと)じです。紙の束を重ねて裁断し背を接着剤で綴じるスタイルで、背表紙ができます。
この記事では中綴じ製本の特徴を解説していきますね。
中綴じ製本の良いところ

中綴じは2つ折りした紙の真ん中をステープラー(ホッチキス)などの針金でとめる製本のやり方です。週刊誌やパンフレットでよく見ますね。針金の代わりにミシンで綴じる、中綴じミシン綴じ製本もあります。
※それぞれ「針金綴じ」「ミシン綴じ」とも呼ばれます。

綴じる枚数の限界や紙のズレ(クリープ)の問題から、少ないページ数のZINEにおすすめです。
コストが比較的安い
中綴じの印刷費(コスト)は比較的低く、少部数でも割安でつくりやすいです。ページ数がそこまで多くない場合、無線綴じにしたいこだわりがなければ中綴じを選ぶといいでしょう。
180度に開く
中綴じの最大の特長は180度に開くこと。マップやガイドなど開いて使う想定のZINEには相性がいいでしょう。紙が戻ろうとする力(反発)が弱いので、どんな年齢の方でも開きやすいです。
レイアウトの自由度が高い
大きく開くため、ノド(綴じ部分)に印刷内容が折り込まれず、見開き全体を使ったレイアウトと相性がいいです。「版面(はんづら)」と呼ばれるページのコンテンツが入る部分の余白にも余裕があります。
針金や糸の色で遊べる
例えば羽車印刷ではホッチキスの針金の色を選ぶことができ、レトロ印刷JAMではミシン綴じ製本の糸の色が選べます。自分で中綴じ製本する場合ももちろんです。色で遊べるのは楽しいポイントですよね。
中綴じ製本にできないこと
これをデメリットととるか、という問題はありますが……一応挙げておくとこういう点があります。
背表紙ができない
無線綴じのようなまっすぐな背表紙はできません。無線綴じの場合は紙の斤量とページ数が分かれば印刷前から背表紙の厚みが計算できますが、中綴じはまっすぐ背表紙がつくられないので意図どおりに背表紙に文字を入れたりするのは難しいです。
ページ数に限界がある

ページ数が増えると中央部分が膨らんで印刷がずれる「クリープ」ができます。膨らみが出て、中の空間も大きくなります。紙の厚さ(斤量)や種類にもよるのですが、DIY BOOKSだと28~64ページ前後のZINEが多いです。印刷通販でも40ページや96ページが上限のことが多い印象ですね。
クリープを裁断すると中央部分(真ん中よりのページ)がその分外側(小口側)に寄ってしまいます。その場合InDesignなどのアプリならクリープ処理の設定をあらかじめ行うことができます。計算式もありますが、40ページぐらいまでであればあまり考えずともいいのではないでしょうか。気になる方はぜひ調べてみてください!
※クリープがあるからこそめくりやすくもあり、あえて残す場合もあります。
無線綴じとの比較は下記の記事をぜひ参照してください。
・関連記事:無線綴じか中綴じか。特徴を比較してからZINEをつくろう
自分で中綴じする場合は中綴じ機(ホッチキス)を使う

自分で中綴じする際には中綴じ機を使うのが手っ取り早いです。DIY BOOKSで使用しているのは「マックス バイモ11」。サイズごとに真ん中にくるように奥行き調整ができるので、これを2台使って綴じています。
※通常のマックスのホッチキスの太さは10でこれは11(やや太い)なので注意。
最近はダイソーなどの100円ショップで180度開くホッチキスが手に入ります。こちらでも中綴じはできますのでまずは試してみてください。
ある程度の薄さであれば家庭用ミシンでのミシン綴じも可能ですし、手縫いで仕上げることもできます。ミシンを使用する際は本来の用途とは違うので安全に注意しながら進めてください。
中綴じ製本のやり方
ご自身で中綴じする場合のコツです。
1.まずは印刷した紙を束ねて、中綴じ機やホッチキスで2カ所とめます。

2.全体をふくらませつつ、小口(綴じている方と反対側)側を平行にできるモノにあてながら、製本ヘラやローラーで折っていきます。
※「ふくらませる」のがポイント。この時点ですぐ折り目をつけてしまうと、きれいに入りにくい場合が多いです。

3.中央から小口側の端にかけて斜めに下ろしていくのが効率的です。

4.最後に縦方向に小口全体をならしていけば完成。

さらに5~10部ごとに小口側が反対になるように重ねて箱に入れ、重りをのせておくときれいに折り目がつきます。
・関連記事:本の部位の名称
・関連記事:https://diybooks.jp/blogs/blog/my-gear
綴じ部分にシワが入る、真ん中の紙がよれる場合

中綴じ製本をしたとき、綴じ部分にシワができる場合は紙の「目」が縦目になっている可能性があります。中綴じする場合は紙が横目でないときれいに製本しにくいです。まずは紙の目を確認しましょう。
真ん中の紙がよれる場合も紙の目をもう変えられない場合も、ヘラやローラーで整える前に簡単に綴じる側を手でチョップするように大ざっぱなヘコみをつけてから整えるとうまくいく場合があります。試してみてください。
・関連記事:紙の目とは?横目、縦目、中綴じに向くのは
【注意】中綴じする前に面付けを。束見本をつくろう
ご自身で中綴じする場合、例えばCanvaなどで1ページずつつくったZINEのデータをそのまま印刷してもちぐはぐなページ順になります。その場合に必要なのが、面付け。
何も印刷していない紙を束ねて「束見本(つかみほん)」をつくるのがおすすめです。「実際に印刷するページ数÷4」枚(例:32ページなら8枚)の紙を用意して重ねて折ります(綴じない)。

これにノンブル(ページ番号)を書いて1枚ずつ開いてみると、実際のページの面付けが確認できます。例えば1ページの反対に来るのは32ページ、その裏に2ページ、31ページ……というように。中綴じ製本する場合はこの面付けの必要があり、実際には発注すると印刷会社で面付けが行われます。これを自分でやる場合は考慮しなければなりません。
見開きでつくる場合はあらかじめ面付けした順番にならべてデータをつくる必要がありますが、1ページずつデータをつくっておけば、Adobe Acrobatなどを利用して面付けデータをつくれます。
くわしくは面付けについての記事を読んでみてください!
・関連記事:面付けとは。「小冊子で印刷」機能を使いこなそう






















