ZINEの作り方。はじめての1冊を完成させる5ステップとコツ

ZINEの作り方。はじめての1冊を完成させる5ステップとコツ

平田提

ZINEフェスや文学フリマといったイベントが近年盛り上がってきています。あなたのご友人やお知り合いがZINEをつくられていて「何だろう?」「気になる」なんて思われているかもしれません。さらに踏み込んで「自分でもZINEをつくってみたい」と思われているのなら、ぜひこの記事を第一歩につくってみてください。まず最初にしてほしいのはイベントに申し込むこと。それから手を動かして考えていきましょう!

この記事では、兵庫県尼崎市・武庫之荘で「つくれる本屋」DIY BOOKSを営み、DIY ZINEスクールでたくさんの方の1冊目に伴走してきた私が、ZINEとは何か、つくる流れ、そして最後まで完成させるためのコツをまとめました。各ステップのくわしいやり方は、それぞれの関連記事にまとめているので、気になるところからたどってみてくださいね。

 

ZINEとは?

ZINE(ジン)とは、個人またはグループでつくる出版物のこと。

非営利、少部数といった定義もありますが、人によるでしょう。カード式、1枚で1作のZINEもあるので、必ずしも綴られた本の形式をとるとは限りません。

ひとまずは「DIYな(自分がつくりたくてつくる)出版物」がZINEといえるのではないでしょうか。

※ちなみに日本では「DIY=日曜大工」と訳されることが多いですが、「Do It Yourself=自分でやること全般」を表すことば。元々は第二次大戦後の復興後のイギリスで広まったフレーズのようです。誰からも頼まれずにやる。出版社に企画を通す必要も、売れるかどうかを先に心配する必要もありません。自分の好奇心を形にする。逆に言うと、ZINEとしてはそれが形にできているか?がポイントだと思っています。

 

歴史的なZINEの位置づけ

ZINEという言葉は、もともとMAGAZINE(雑誌)から来ています。1930年代のアメリカで、SF小説のファンたちが自分たちでつくって郵送し合った冊子がFANZINE(ファン+マガジン)と呼ばれました。やがて「ZINE」という言葉だけで流通するようになります。

その後、1970年代にはパンクロックのファンや当事者がコピー機で刷ったZINEが広がり、90年代には女性たちが自分の声を届ける手段としてもZINEがつくられました。お金や設備がなくても、誰かの許可がなくても発信できる。ZINEはいつの時代も、そういう人たちのメディアだったといえます。

日本でも「ミニコミ」や「同人誌」と呼ばれる文化が昔からあり、いまのZINEブームはそれらとも地続きです。最近は全国でZINEのイベントが開かれ、書店や雑貨店にZINEのコーナーが設けられることも増えました。

 

いろんなZINEがある

ひと口にZINEといっても、形も中身も本当にさまざまです。たとえばこんなZINEがあります。

  • 写真集:旅先や日常の風景、家族やペットなど
  • エッセイ・日記:ある期間に考えたこと、毎日の記録
  • イラスト・漫画:描きためた絵、1コマ漫画、旅のスケッチ
  • 図鑑・研究:好きな生き物、道具、まちの看板などを調べてまとめたもの
  • インタビュー:家族や身近な人、ある職業の人に話を聞いたもの
  • レシピ・まち歩き:自分の定番料理、地元のおすすめマップ
  • 詩・短歌・小説:文芸作品をまとめたもの
  • 1枚ZINE・カード式:A4の紙1枚を折ったもの、カードを束ねたもの

ZINEを構成する要素

ZINEを構成する要素についてはいろんな定義があるでしょうけれど、ひとまずここでは大きく分けて3つ。

  1. コンテンツ
  2. デザイン
  3. フィジカル

コンテンツとは中身のこと。テキストや写真・イラストなどですね。

デザインはそれをどう見せるかの部分。どんなフォント、大きさ、色合い、レイアウトにするか。

最後のフィジカルとは「さわれること」。紙の種類や厚み、ミシン綴じや無線綴じなどの綴じ方。電子書籍をZINEと呼ぶことは少ないと思うので、フィジカルはZINEの特徴的な部分だと思います。

この3つは別々に考えるより、行ったり来たりしながら決まっていくものです。たとえば「旅の空気感を伝えたい」というコンテンツなら、写真を大きく見せるデザインが合うかもしれないし、少しざらっとした紙を選ぶと手ざわりからも旅の記憶がよみがえるかもしれません。中身と見せ方と手ざわりがかみ合ったとき、ZINEは「その人らしい1冊」になるでしょう。

デザインの基礎は本の部位・余白の名前、フィジカルは紙の選び方の記事も参考にしてください。

 

ZINEをつくる流れ

ではZINEをつくるにはどうすればいいのでしょうか。簡単に流れをまとめ、そのあとにやり始めるコツを紹介します。

  1. 企画の「ログライン」を書く
  2. 執筆・撮影・イラスト作成など
  3. デザイン・レイアウト
  4. 製本・印刷
  5. 発表・販売

1.企画の「ログライン」を書く

まず、どんなZINEにするかを企画しましょう。たとえばこんな具合です。

  1. キャリアブレイクした27歳の私がここ数カ月考えたことを写真と一緒にまとめたエッセイのZINE
  2. 好きでたまらないアルマジロの生態とかわいいしぐさをイラスト・テキストで展開する、ミニ図鑑のようなZINE
  3. パソコンが登場する前の会社員に当時の働き方や仕事のやり方を変えたツールをインタビューしてイラストともに考察するZINE

 

こうした「このZINEは何なのか」を一言で言い当てる一文を考えてみましょう。「いまこういうZINEをつくっているんだ」とご友人に説明するように。

「ログライン」とは、映画や脚本の世界の言葉で、作品の中身を1〜2文で言い表したものです。

ログラインの核になるのは、あなたの好奇心=主眼です。熱量が注げるもの。なぜ自分がそのZINEをつくろうと思ったのか、の核。これは途中で企画に迷ったときに戻ってくる場所になります。逆に、ここがあいまいなままつくり始めると「何を載せて、何を削るか」が決められず、手が止まってしまいがちです。

 

企画のきほん

ログラインを書くヒントとして、次の問いに答えてみてください。

  • 誰のために
  • どうなることを期待して
  • 何をするのか

これに応えられると、実はログラインになります。そしてログラインは「こういう誰々が、読んだあとこうなる」という未来を示す文章になる。いわば、読んだ人の態度変容を描くものです。

たとえば先ほどの3つ目の例なら「AIの登場でじぶんの仕事の本質に迷っている人たちが、昔の会社員の働き方を知って、ちょっと肩の力を抜けるようになるZINE」と言い換えることもできます(『昔の会社員はどうやって仕事していたのか?』シリーズ)。読者が決まると、載せる話や言葉づかいも自然と決まっていきます。

 

ワーク:まずはダーッと書き出す

いきなりきれいな一文にしようとしなくて大丈夫です。まずは紙の真ん中に「好きなこと」「気になること」を書き、そこから連想することをマインドマップのように枝分かれさせて、ダーッと書き出してみましょう。「キャリアブレイク」「エッセイ」「アルマジロ」「イラスト」「昔の会社員」などの短いキーワードでOK。かける時間は5~10分ほどでかまいません。

書き出したら、いちばん自分が熱量を感じるキーワードやそのかたまりを選んで、「誰のために・どうなることを期待して・何をするのか」に当てはめてみてください。それがあなたのZINEのログラインの第一稿です。

→アイデアの出し方はこちらの記事でもくわしく紹介しています。

 

2.執筆・撮影・イラスト作成など

次はコンテンツをつくる段階です。文章を書く、写真を撮る、イラストを描く、人に話を聞く。ログラインに沿って素材を集めていきます。

このとき、素材は少し多めに集めておくのがおすすめです。あとでレイアウトするときに「ここにもう1枚写真がほしい」となることがよくあるからです。逆に、集めた素材を全部載せる必要もありません。ログラインに照らして、いちばん伝えたいものを選びましょう。

また、他人が撮った写真や描いた絵、歌詞などを使う場合は著作権に、人の顔がはっきり写った写真を使う場合は肖像権に気をつけてください。迷ったら本人に確認するのがいちばんです。

 

3.デザイン・レイアウト

集めた素材を、ページの上に並べていく段階です。デザインソフト、アプリを利用して。あるいはアナログで切り貼りしてもいい。

パソコンならCanvaやInDesign、Wordなど、スマホでもCanvaなどのアプリでZINEはつくれます。手書きや、紙に写真を貼ってコピーする方法も、ZINEらしい味が出ますよ。

レイアウトでまず気をつけたいのは余白です。文字や写真をページの端ぎりぎりまで置くと、印刷や断裁のときに切れてしまったり、窮屈な印象になったりします。少し余白をとるだけで、ぐっと読みやすくなります。

→ZINEづくりに使えるアプリ、余白の計算方法、余白計算ツール

 

4.製本・印刷

データができたら、印刷して本の形にします。自分で、あるいは印刷業者に依頼して。

自分でやる場合は、家庭用のプリンターやコンビニのコピー機で印刷し、ホチキスで留めたり糸で綴じたりします。部数が多い、きれいに仕上げたい、という場合は印刷所に依頼するのがいいでしょう。DIY BOOKSのようにリソグラフ印刷ができるお店を使う方法もあります。

自分で印刷して冊子にするときは「面付け」が必要になります。何ページ目をどこに配置すれば、折って重ねたときに正しい順番になるか、という作業です。

→面付けとは、面付けツール、中綴じ製本とは

 

5.発表・販売

ZINEにはこれがセットだと思います。つくって終わりではなく、誰かに手渡す、ハレの場がある。イベントに出したり、お店に置いてもらったり、ネットショップで売ったり。読んだ人から感想をもらえたときのうれしさは格別ですし、「次はこんなのをつくりたい」という気持ちもそこから生まれます。

 

値付けのポイント

値段をつけるときは、まず印刷・製本費などの「つくるのにかかったお金」を部数で割って、1冊あたりの原価を出してみましょう。そこにイベントの出展料や交通費、送料なども加えて考えます。

部数は50部ぐらいからつくる人が多い印象です。少なすぎると1冊あたりの印刷費が高くなり、多すぎると在庫を抱えることになります。最初は「イベントで売り切れるかな」と思える数から始めてみてください。

お店に卸したり委託したりする場合は、定価の7掛け(定価の70%が自分の取り分)が基本的に多い印象です。定価を決めるときは、お店に置いてもらう場合のことも頭に入れておきましょう。

値付けを考えるためのツールも使えます。

 

ZINEをつくるコツ

縛りを決める

「何でも自由につくっていい」と言われると、かえって手が止まってしまうものです。その際に役に立つのが、縛り。有効な縛りを6つ挙げてみます。

 

1.締切

時間の縛り、締切。これが一番効果的です。イベントに出す。何もできていなくてもまず文学フリマやZINEフェスなどのイベントに申し込みましょう。

「申し込んでから、考える」くらいでちょうどいいんです。締切が決まると、そこから逆算して「いつまでに原稿を書いて、いつ入稿するか」というスケジュールが立てられます。印刷所に頼む場合は、印刷・配送にかかる日数も見込んでおきましょう。

全国のZINEイベントは、DIY BOOKSのサイトで一覧にしています。お住まいの地域や、出してみたい時期から探してみてください。

→全国のZINEイベント一覧

 

2.ページ数

仮でもいいのでまずは何ページか決めてしまいましょう。出版物は基本的に4ページ刻みなのでその点には留意してくださいね。

紙を1枚、半分に折ると4ページになります。これを重ねて綴じていくので、中綴じのZINEは8、12、16、20……と4の倍数になるわけです。はじめての1冊なら16ページくらいが、つくりやすく、読みごたえも出るのでおすすめです。表紙を含めるかどうかでも数え方が変わるので、台割(どのページに何を載せるかの設計図)を書いて確認しましょう。

 

ワーク

まずはA4のコピー紙を何枚か重ねて1回折りましょう。例えば4枚重ねて折れば、16ページの白紙のZINEが完成します。16ページってこのぐらいの厚みなのか……というのをまずはぜひ確認してください。ZINEスクールではこれを「束見本」と呼び、ページ番号(ノンブル)を書き込んだり、ラフを書いたりしていくのをおすすめしています。

 

3.テーマ

何のZINEなのか。ログラインで書いたことを、もう少し短いキーワードにしてみます。

例:「キャリアブレイク中の日々」「アルマジロ」「昔の会社員の働き方」「近所の喫茶店」「祖母のレシピ」

テーマは広すぎると収拾がつかなくなります。「旅」より「ヘルシンキの5日間」、「料理」より「祖母に教わった煮物」のように、絞るほど中身が濃くなりますよ。

 

4.ジャンル

写真集、エッセイ、批評、小説、短歌集、イラスト集、紀行文。ビジュアル寄りか、テキスト寄りか。あるいは雑誌のように両方あるのか。

文学フリマやZINEフェスだったら、どんな「シマ」に置かれるのか。つまり、誰が手にとる可能性があるのか。手にとってほしいのか。

ジャンルが決まると、参考にしたい本も見つけやすくなります。好きな写真集やエッセイ集を何冊か手元に置いて、文字の大きさや写真の配置を観察してみると、レイアウトのヒントになります。

 

5.サイズ・綴じ方

サイズは、迷ったらA5がおすすめです。A4の紙を半分に折ればつくれるので家庭のプリンターでも扱いやすく、文章も写真もバランスよく収まります。文章だけだと(縦書きの場合)レイアウトを工夫しないと文字数が多く読みづらいので、B6以下の方が向いている場合もあります。まずは実物で確かめるのが大事です。

 

サイズ 寸法(mm) 特徴
A4 210×297 雑誌や写真集のような迫力が出る
B5 182×257 雑誌、ノートでおなじみのサイズ
A5 148×210 ZINEの定番。文章も写真もバランスよく収まる
B6 128×182 単行本に近い。エッセイや小説向き
A6 105×148 文庫本と同じくらい。手のひらサイズで気軽

綴じ方は、ページ数が少ないうちは中綴じ(紙を重ねて真ん中をホチキスで留める)がいちばん手軽です。ページ数が多くなると、背表紙のある無線綴じが向いています。ほかにもミシン綴じや糸綴じ、1枚の紙を折るだけのZINEもあります。

あわせて、右開き(縦書き)か左開き(横書き)かも決めておきましょう。

→ZINEのサイズの選び方、A5サイズのmm早見表、無線綴じか中綴じか、右開き・左開き

 

6.自分でつくるか、どこでどう印刷するか

最後に、どうやって印刷・製本するかです。部数や予算、仕上がりのイメージによって選びましょう。

こういうつくりかたがあるよ

  • 家庭用プリンターで刷って、ホチキスで中綴じ
  • コンビニのコピー機で両面コピーして、手で折って綴じる
  • 手書きの原稿や切り貼りした紙をコピーする
  • リソグラフのあるお店で刷る
  • データを入稿して印刷所に任せる

印刷所やお店に頼む場合、主要な印刷の種類は次の3つです。

 

印刷の種類 向いている部数 特徴
オンデマンド 1部〜数十部 版をつくらないので少部数でも頼みやすく、納期もはやい。箔押し、特色などには対応できない場合が多い。
オフセット 数百部〜 一般的な本や雑誌の印刷方法。部数が多いほど1冊あたりが安くなり、色の再現性も高い。逆に部数が少ないと割高。
リソグラフ 数十部〜数百部 版をつくって色ごとに刷る。インクのにじみや色ずれが独特の風合いになる。オンデマンドよりは割高。かつデータのつくり方がやや特殊。

→オフセット・オンデマンド・リソグラフの違い、リソグラフの使い方

 

ぜひ覚えておいてほしいポイント

最後に、はじめての方がつまずきやすいポイントを2つだけ。

 

1.塗り足しを設定しよう

写真や背景の色をページの端まで敷きたいときは、仕上がりサイズより外側に、少し(一般的に3mmほど)はみ出させてデータをつくっておきます。これを塗り足しといいます。

印刷所では、大きな紙に刷ってから仕上がりサイズに断裁します。断裁はどうしてもわずかにずれるので、塗り足しがないと端に白い線が出てしまうことがあるんです。印刷所に入稿する場合は、入稿規定に塗り足しの指定があるので必ず確認しましょう。

→塗り足しの設定方法

 

2.試し刷りは必ずしよう

画面で見ているのと、紙に刷ったものは違います。文字が思ったより小さい、写真が暗い、ページの順番がおかしい……。こうしたことは、刷ってみて初めて気づくことがほとんどです。

家のプリンターで1部だけでもいいので刷って、折って、綴じて、実際にめくってみてください。とくに自分で面付けをした場合は、ページの順番と向きを必ず確認しましょう。画面の色と印刷の色の違いについては、CMYKとRGBの違いの記事も参考になります。

 

よくある質問

 

Q.なかなか文章が書けません。

書けないのは何度も私も経験しているので辛さが分かります。ただもしかすると、取材が足りていないのかもしれません。取材というと大げさに聞こえますが、相手は他人だけではありません。自分へ。他者へ。本、外。自然。いろんなところに材料はあります。

おすすめは、気になったことをとにかくメモすることです。そのときの自分の心の動きのディテールを書く。「楽しかった」ではなく、何を見て、何が聞こえて、どう感じたのか。そのディテールが、あとで文章を書くときの一番の材料になります。あとは外に出ること、歩くこと。移動するとアイデアが出るし、過去の考えが繋がっていったりします。リフレッシュにもなりますしおすすめ。

 

Q.構成が難しいです。

例えば序盤・中盤・終盤というざっくりした構成で考えてみてください。人に話すときのことを思い浮かべるとつくりやすいですよ。

たとえば、私に説明するように考えてみてください。誰かにインタビューしてもらうのもいいですよ。

私はフィンランドのヘルシンキに旅行に行きました……という場合。

  1. なぜ?
    昔から北欧デザインやムーミンの雑貨、映画『かもめ食堂』などが好きだったから。
  2. 行ってみてどうだった?
    想像以上に楽しかった! 町行く人やお店の人が「moi moi(モイモイ)」って挨拶してくれるのがかわいくて、よく話しかけた。シャイな人が多かったけど話してみるとやさしかった。英語がある程度単語を並べて話せば通じるし。トナカイのお肉のシチューとマッシュポテトにベリーソースをかけたのがおいしかった。パンも。あとテンペリアウキオ教会とか……(以下略)
  3. 帰ってきて、どう?
    またすぐに行きたくなった。そのためにまたお金をためたい。次はフィンランド語をもっと話せるように勉強もしている。

これだけである程度ZINEの構成になると思いませんか?

この場合、1→序盤、2→中盤、3→終盤となります。映画や小説などでも、1と3は短く。中盤がメインコンテンツです。あとはそれをテキストでまとめるか、写真でまとめるか。このテーマの場合は撮ってきた写真がありそうなので、まずはそれを選別して、白黒でもプリントアウトしてコラージュしてラフをつくっていくといいかもしれません。

 

Q.まとめ方が分かりません。

例えば上のフィンランドに旅行に行ったZINEの場合は自然と「時系列」でのまとめ方になりました。一方で、「カテゴリ」というまとめ方もあります。人や種類、ジャンルに分ける。「食べもの」「建築」「人」と分けて紹介するイメージです。あまり使うことはないかもしれませんが「50音順(アルファベット順)」もあります。図鑑や用語集のようなZINEには向いていますね。

たとえば漫画や映画などでは回想が入りますよね。過去の時系列が挟まったりすることがある。ベースは現在の時系列だけれど、説明や次の展開のために必要なら入れる。ZINEでも同じように考えて大丈夫です。

説明的文章なら、論の構成が必要でしょう。「言いたいこと(結論)→その理由→具体例→もう一度結論」という流れを意識すると、読む人に伝わりやすくなります。

 

Q.紙の種類や厚みを知るには?

紙のショールームが各地にあるのでぜひ行ってみるのをおすすめします。あとは紙の見本を取り寄せる方法もあります。

→紙の選び方、紙の目(縦目・横目)

 

Q.スマホだけでもつくれますか?

つくれます。Canvaなどのアプリを使えば、スマホだけでもレイアウトからPDFの書き出しまでできます。ただ、細かい文字の配置や余白の調整はパソコンのほうがやりやすいので、慣れてきたら使い分けるのもいいと思います。

→ZINEづくりに使えるアプリ

 

Q.手書きでもいいですか?

もちろんです。手書きの文字や絵は、それだけで「その人らしさ」が伝わります。原稿を手書きでつくり、スキャンやコピーをして増やすのは、昔からあるZINEのつくり方のひとつです。

 

Q.費用はどれくらいかかりますか?

つくり方によって大きく変わります。家のプリンターやコンビニのコピーでつくれば、紙代とインク代だけで始められます。印刷所に頼む場合は、サイズ・ページ数・部数・紙・カラーかモノクロかで金額が決まるので、いくつかの印刷所で見積もりをとってみましょう。

 

ひとりで不安なら

ここまで読んで「やってみたいけど、ひとりで最後までつくれるか不安」と思った方もいるかもしれません。DIY BOOKSのZINEスクールでは、締切と仲間がいる環境で、企画から印刷・製本、イベントでの発表までを一緒に進めます。店舗・オンライン・アーカイブなど、ご都合に合わせて参加できます。

→DIY ZINEスクール

上手か下手か、ページ数が多いか少ないかは関係ありません。「これが気になる」「これが好き」という熱が、手に取った人に伝わるかどうか。ZINEの面白さはそこにあると私は考えています。

ぜひあなたなりのペースで、しかしいつまでも動き出せないなら、ぜひまずはイベントに申し込んでみましょう! あなたのZINEに出合える日を楽しみにしております。

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DIY BOOKS店主(編集者・ライター)
平田提

DIY BOOKS店主、編集者・文筆家。秋田県生まれ、兵庫県在住。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。ベネッセ等を経て2021年に株式会社TOGLを設立。2023年10月より尼崎市・武庫元町で「つくれる本屋」DIY BOOKSを開店。今まで5,000冊ほどリソグラフで刷って手製本してきました。ZINEを2013年ぐらいからつくっています。