面付けとは。「小冊子で印刷」機能を使いこなそう
平田提Share
ZINEをつくっていると「面付け」という言葉に出合うことがあります。印刷会社への入稿のときや、自分でプリントして製本しようとしたとき。面付けの仕組みを知っておくと入稿がぐっとスムーズになるかもしれません。
面付けとは
面付けとは、印刷する紙の上に複数のページを効率よく配置することです。
印刷会社は、A0やB0といった大判の紙にページを一気に印刷してから折って、綴じて、裁断します。この「1枚の紙にどのページをどこに並べるか」を決める作業が面付けです。

たとえば中綴じの16ページ冊子(A5仕上がり)をA4の紙を一度だけ折ってつくる場合、A4サイズの紙を4枚用意して折り重ねます。このとき、表紙(1ページ)の裏側には16ページが来て、その裏には2ページと15ページが並ぶ……という具合に、折り重ねたときにページ順が合うよう配置していく必要があります。
※上のような並びを「対向面付け」といいます。
入稿するなら単ページorページ順見開きでデータをつくる
面付けの仕組みを知ると、「じゃあ面付けした見開きでデータをつくった方がいいのでは?」と思うかもしれません。ただ入稿のしやすさという点では面付けせずに単ページ、もしくはページ順の見開きでデータをつくるのをおすすめします。
※印刷会社に入稿する場合、面付けは印刷会社が行ってくれます。

対向面付けの見開きでデータをつくると、後からページを追加したり、順番を入れ替えたりするときに手間がかかります。単ページやなら1ページずつ修正がきくので融通がきく。また印刷会社のほとんどは単ページかページ順の見開きの入稿に対応しており、受け取ったあと社内で面付けをしてくれます。

冊子のページ数は4の倍数になりますが、入稿データのページ数は「本文+表紙4ページ」を含めた総ページ数で指定します。たとえば本文32ページの場合、表紙4ページを足して「36ページ」と指定するのが一般的です(印刷会社のサイトで確認してください)。
どんなときに面付けする必要がある?
以下の場合には面付けを考える必要があります。
自分で試し刷りして確認したいとき
CanvaやInDesignでZINEのデータをつくったら、おすすめなのは何度も試し刷りをすること。塗り足しやフォントの埋め込み状態やフォントサイズ、画像の解像度など……紙に打ち出して確認すると、画面で見るよりもすぐに問題点に気がつけるはずです。
※ちなみに自分の環境以外でもきちんと刷れるか確認するため、コンビニのプリントなどを利用するのがおすすめです。
そのように自分でプリントして製本する場合だけ、面付けを自分でやる必要が出てきます。ページ順のデータをそのまま打ち出して製本してもちぐはぐなページ順になるためです。
リソグラフなどで印刷・製本するとき
孔版印刷機・リソグラフはアジのある表現や独特のインクの染み、色合いが選べたりして人気ですが、外注ではなくもしご自身でリソグラフで印刷して製本する場合は面付けが必要です。通常、リソグラフはA3までのサイズの紙に刷りますが、折る、もしくは裁断後に丁合いをかけて折って重ねて製本をします。A4からA5サイズのZINEをつくるなら1面に2ページ、裏面に2ページと面付けし、1面が100部刷り終わったら裏返してセットして次の2面目を刷る……を繰り返します。
※裏返すときは短辺綴じか長辺綴じか確認して行ってください。
※このとき、後述する「束見本」があると刷り間違いが防げます。
リソグラフの版はA3なので、A3で面付して刷って折るのが一番コストパフォーマンスが高いです。A3を一度裁断して製本するか、A3に一度に面付してA5などにすることもできます。その場合は束見本などをつくってぜひ確認してからデータをつくりましょう。

Adobe Acrobat「小冊子印刷」機能を使う
単ページで作成したPDFをAdobe Acrobat(またはAdobe Reader)で開いて、印刷ダイアログの「小冊子」をクリックすると、中綴じ用の面付けを自動でやってくれます。両面印刷に対応しているプリンターなら「両面で印刷」を選ぶだけ。非対応の場合は「片面で印刷(表側)」→用紙を裏返して「片面で印刷(裏側)」と2回に分けて印刷します。
印刷した紙を重ねて半分に折り、折り目をホチキスで留めれば、面付けされた中綴じ冊子のできあがりです。便利ですね。
ちなみにここでプリンター選択欄で「Adobe PDF」を選ぶと、面付けされたPDFを保存できます。
WindowsはCtrl+P、Macの場合はCommand+Pで印刷ダイアログを開き、「小冊子」を選択します。「両面印刷」で綴じ方向は縦書きなら「右」横書きの場合は「左」を選んでください。

また有料版にはなりますがAdobe Acrobatの「ページを整理」機能で、手動でページ順を変えて面付けすることはできます。生成AIにPDF編集機能があれば(場合によってアドオンのインストールなどが必要なことも)、ファイルを放り投げて面付けを依頼することも可能です。
またAdobe InDesignではファイル>小冊子をプリント でデータを小冊子印刷することができます。その際「プリント設定」内で「空白ページを印刷」にチェックを入れておくと、ページ順が変わらずプリントできます。
・関連記事:ZINEをつくるおすすめアプリの選び方
自分で製本するなら束見本をつくろう
自分でプリントして中綴じ製本する場合は、あらかじめ面付けした順番でデータを並べる必要があります。このとき大活躍するのが「束見本(つかみほん)」です。
※本来の「束見本」の意味は、本番と同じ紙・仕様で綴じたものをいいます。ここでは便宜的にこう呼んでいます。

束見本のつくり方はシンプルです。「印刷するページ数÷4」枚の紙を用意して重ねて折ります(綴じない)。たとえば32ページなら8枚。重ねた状態でノンブル(ページ番号)を書いていき、1枚ずつ開いてみると、どのページとどのページが同じ紙の隣に/表裏に来るかが一目で分かります。
※リソグラフで自分で印刷するとき、この束見本があると頼りになる相棒になります。どのページの裏がどのページか迷子になることがあるので……。
まとめ
プリント後に手作業で面付けを考えるより、今回紹介した機能やツールをうまく使うのが時間の節約になります。ぜひ活用してくださいね。プロの印刷会社の現場でも、手書きの束見本で確認することがあると聞いたことがあります。試し刷りや手を動かしてぜひつくっていってください!
入稿前、デザイン前にできれば塗り足しの設定も確認しておいてくださいね。
・関連記事:塗り足しとは?

