兵庫県尼崎市立花で70年以上続いた新刊書店、「小林書店」が今月、2024年5月末で閉店されます。
そんな小林書店で店主・小林由美子さんが3名の町の本屋の店主を呼んで語り合うトークイベント「これからのまちの本屋」に2024年5月18日(土)に開催、DIY BOOKS店主・平田も登壇者として参加しました。
トークの模様はこちら(Zoomのアーカイブ配信)
●登壇者
・小林 由美子(小林書店)
・河田 秀人(ブックランドフレンズ)
・鳥平 純子(いろどり書房)
・平田 提(DIY BOOKS)
当日はオフライン/オンラインともに40名弱の方に参加いただきました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
小林さんが今まで町の本屋を続けてきて苦労されたこと、河田さんや鳥平さんが本屋さんをはじめた経緯などを伺いました。
イベント中にもお話しましたが、やはりDIY BOOKSは本を売るというよりつくるほうの意味での本屋だな、と改めて思いました。イベント終了後、参加者の方に「それって江戸時代に瓦版を売り歩いた『読売』ですよね」といわれたのが印象的でした。そうかもしれません(そうでないかもしれません)。
ただ個人的に、書くことと読むことは切り離せないと思っているので、いつも開いていない本屋にはなってしまったのですが、じわじわと活動を続けていきたいと思いました。小林由美子さんがおっしゃるように「本屋は何やったっていい」という言葉のとおり、なんでもやってみようと思います。
小林さん、河田さん、鳥平さん、司会の若狭さん、イベント運営のみなさま、お客さまみなさんありがとうございました。
文集「町の本屋」をつくりました
4月1日に小林書店閉店の報せを聞き「私たちで何かできないか」と小林書店で本の配達のお手伝いもされていた、若狭健作さんと話しあった結果、文集をつくることになりました。
小林書店だけでなく、町の本屋さんであったできごと、本との思い出を綴る。
小林書店にゆかりのある方だけでなく、DIY BOOKSのお客さん、お仕事で知り合ったみなさんにお声がけしたところ12名の方に文を寄せていただきました。
そこから編集し、DIY BOOKSのリソグラフで印刷。若狭さんや文を寄せていただいたシキタリエさんとおしゃべりしながら丁合・製本・裁断し、完成しました。
表紙の紙は赤色のレトロ感を出したく、ファーストヴィンテージを選びました。
表紙に傘のイラストがあるのは、小林書店が本だけでなく傘も売ってきたお店だからです。
最近の、DIY BOOKSも含めた独立系書店が行っている「店主が売りたい本を選書する」「本以外の商品も売る」「イベントで集客する」といった取り組みは小林書店が数十年前から行われてきました。
小林書店は「町の本屋さん」であると同時に、今の本屋さんのようにけっこう「攻めた本屋さん」でもあった。それは生き残るため、お店を続けるためでもありましたが、店主の小林由美子さん、夫の昌弘さんの人柄と信用で人が集まり続ける場所でもあり続けました。
このZINEで小林書店以外のお店も含む「町の本屋さん」をテーマにしたのは、小林書店が町の本屋の象徴のように思えたからです。そして小林さんは、お店を閉めることをネガティブにはとらえていない。むしろ最終日は紅白の布をたらして、「よくやった!」と門出を祝いたいと言う。
それはその後の町の本屋への、エールになるだろうとも思うのです。
文集には小学生から70代の方まで文を寄せてくれましたが、小林由美子さんにも寄稿いただきました。
小林書店だけでなく、町の本屋の良さや本との個人的で普遍的な体験を語る一冊になっています。
ぜひお手にとってみてください。
【仕様】
A5/36p(表紙込み)/表紙2C/本文1C
【執筆陣】※掲載順
若狭 健作
高寺 芳和
平田 提
のぼりぐち みちこ
シキタ リエ
志木田 明璃
クスモト トモコ
デイリーマザキ
白川 烈
桂 弥太郎
宇久 理恵
小林 由美子