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魂の文章術

魂の文章術

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『POPEYE』の「本と映画」特集のムックで、モーリー・ロバートソンさんが紹介していて気になって買った本。SNS時代にこそ自分を見つめて書くことが求められる……という文脈で紹介されていたのが『魂の文章術』。
著者のナタリーさんは日本人の禅僧に師事し、落ち着いた心で書くための方法を追求しました。といってもこの本にはスピリチュアルな話というより、主に書く周辺の心構えが描いてあります。実践的なガイドというよりも、一編一編がものを書く人に寄り添う短いエッセイになっています。

当時、この本を読んだ際、私はジム・ジャームッシュ監督の映画『パターソン』を経て、その原作を書いた詩人ウィリアム・カーロス・ウィリアムズのことを調べていました。
ウィリアムズの詩は壮大でありつつ、とても卑近な、冷蔵庫や庭の花のことを詠います。すごく読み味が俳句っぽいのですが、ナタリーもウィリアムズのことば「事実なくして観念なし」を引用して文章の心得としています。私はこのことばが最初ピンときていなかったのですが、ナタリーはこう言い換えます。「概念をそのまま書くのではなく、具体的なものとして表さなければだめだ」と。

この本で私が大きな影響を受けたのはこの「とにかくディティール」という考え方です。
「あの花」ではなく、「沿道に生えたポピー」と書く。色、形、においについても書く。自分が今どこで書いているのか。駅前のドトールだとして、ソファの色や周りの話し声はどうなっているのか。そういったことに耳を澄まし、詳細に書くことが実は自分と周りの世界を肯定することになる。
きわめて禅的な考えです。かつ、俳諧的でもある。そして、めちゃくちゃ文章術として大事なことなんだ、と気がつきました。つい自分がアバウトなことばで逃げようとするとき、ナタリーさんのことばと『魂の文章術』を思い出してディティールを書くように心がけています。

文章を書くとき、ぜひそばに置いておきたい一冊です。

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