笑いがたくさん起こる町っていい。桂弥太郎さん落語会を終えて

笑いがたくさん起こる町っていい。桂弥太郎さん落語会を終えて

笑いがたくさん起こる町っていいなあというシンプルな話。
昨日の桂弥太郎さんの落語会に多くの方にお越しいただいた。いつも来ていただいているお客さん、新しい方、お子さんに来ていただいたのもうれしかった。会場のイスや紅白の幕などは武庫元町のサンモール商店街のみなさんのご協力によるもの。改めてみなさまに感謝します。

そして何より弥太郎さんには大感謝です。
高座に使ったのはいつも本をのせている平台。ロックをかけているとはいえキャスター付きで作りも心もとない。目の前のスーパー・サンディから出てくるお客さんと目が合うような状況で「時うどん」「ちりとてちん」「貧乏神」の三席をやっていただいた。会場に合わせた演目の選び方、落語にも弥太郎さんの鷹揚なお人柄が出ていたと思う。小さなお子さんから大人の方まで大いに笑わせていただいた。弥太郎さん、ありがとうございました。

「時うどん」は江戸落語だと「時そば」となるけれど、元々は上方落語から始まったらしい。お会計で十六銭まで数える途中「今なんどき?」と聞いて支払いをごまかそうとする……という流れは一緒だけれど、東西では登場人物の数やセリフが違うとのこと。落語のあとのトークではうどんの上手なすすり方も教えていただいた。
「ちりとてちん」は師匠の吉弥さんが出られていた同名の朝ドラにも因んでいて、何でも感動する客と主人のあと、文句を言う客にちょっとしたいたずらをする話。
「貧乏神」は、とにかく働かず奥さんに逃げられた男が貧乏神にたしなめられるも、いつの間にか貧乏神を手なずけていく話だった。

話やその構造の面白さはもちろんだけれど、落語は仕草や声・表情の総合芸術なんだと弥太郎さんの落語を聞いて実感した(その分、きしむ平台にのっていただいているのが申し訳なかった!)。
落語は身一つで多くの人を喜ばせる仕事だ、上方落語は300年ぐらい前にお寺で始まったと聞いたが、こうしてスーパーの前の変な本屋でもやっていただける柔軟性もあるんだと感動した。

昨年まで武庫元町商店街では「楽笑亭」という落語会があって、ずっと続いていたが新型コロナウイルスの影響もあって残念ながら終了となった。
もともと桂米朝さんが武庫之荘におられて、弥太郎さんやその師匠の桂吉弥さんをはじめ多くの噺家さんがこの町に住んでおられるという。そういうご縁があった。それに落語が好きな人がこの町に多くいる。
こうして落語会を開いて来ていただけて大変うれしい。落語がいつもある町というのも良いなと思うので、ぜひ落語会は続けていきたいと思います。引き続き笑いがたくさん起こる町に。

(写真:矢﨑剛史

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平田 提
(Dai Hirata)

DIY BOOKS店主。株式会社TOGL代表取締役社長。Web編集者・ライター。秋田県生まれ、兵庫県尼崎市武庫之荘在住。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。ベネッセコーポレーション等数社でマーケティング・Webディレクション・編集に携わり、Webサイト・メディアの立ち上げ・改善やSEO戦略、インタビュー・執筆を経験。2021年に株式会社TOGLを設立。2023年10月からDIY BOOKSを開店。リソグラフを使ったZINEづくりなどを続けている。

株式会社TOGL

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