海猫沢めろんさんのこと。経歴と、物語のガワをDIYする意味

海猫沢めろんさんのこと。経歴と、物語のガワをDIYする意味

3月22日にイベントをやる、海猫沢めろんさんのことです。神戸新聞でコラムを連載されていて、先日DIY BOOKSのことも取り上げてくださいました。

めろんさんのことを知ったのは、たぶん『STUDIO VOICE』のゲーム特集じゃないかなと思うんですが定かではないです。
元々は、ある健康サイト(なぜか)の取材をお願いしてからのつながり。その後もエッセイを中心にお仕事をお願いしたり、東京に行くとお会いしてきたりしました。

めろんさんの壮絶なる経歴

めろんさんはもともと大阪出身で姫路育ち。軍隊か刑務所のような高校生活を経て肉体労働、ホストなどの仕事を経てDTPデザイナーに。角川スニーカー文庫などを経て生粋のオタクとなり、本を読みはじめ作家を志すようになります。この経歴だけで満腹に近いですが、ラジオドラマのシナリオ投稿などもしつつ、開発にかかわった美少女ゲームのノベライズ『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。筆名はこの小説に深いつながりがあります。

めろんさんの人生についてはこれらの記事をぜひどうぞ

▼めろんさんnoteでのまとめ

※関西での話は『全滅!脳フューチャー!!!』に一部反映されています。勢いがあって大好きな作品。

その後は『ニコニコ時給800円』『愛についての感じ』『キッズファイヤー・ドットコム』などの小説を発表。『明日機械が、ヒトになる』などのルポ、『パパイヤ、メロン』などのエッセイも面白いです。小説書きのお悩み相談「生き延びるためのめろんそーだん」も書く人にはためになるはず。
個人的に『夏の方舟』の完成度がすばらしいなと思っています。

『ヘルトウクン』などのアナログゲーム、マーダー・ミステリー『シド・アップダイク』シリーズの制作も手がけられていました。

そして10年以上かけて書き上げられた小説『ディスクロニアの鳩時計』がゲンロンからの出版が直前で中止となり、現在他の版元からの出版を調整中。その前に私家版をご自身でデザインして出されるとのこと。
このように自分自身でデザインもされる、DIYの小説家でもあられます。

めろんさんと話したい「物語のガワ」の作り方

めろんさんは元ホストというだけあって、イケメンです。かつ声もいい。ギターも弾ける。そして生粋のオタクです。
あとジャンルレス。いろんなジャンルを横断して、面白いと思うものを繋げていく。編集やリミックスが根底にある気がします。

僕とはソーシャルゲーム『ブルーアーカイブ』の同じサークルメンバーでもあります。
今回、イベントで『ブルアカ』の話もしたいんですが、このゲームがとにかくよくできている。2000年代の日本の美少女ゲームや過去のハードSF、日本のアニメ・マンガをものすごくリスペクトして要素を現代的にアレンジした韓国産のゲームです。音楽もすごく良くて、「エデン条約」編などのシナリオの作り込みがすばらしい。昨年「最終編」(ゲームはまだ終わりませんが)というシナリオのときは、リアルタイムでどんどんどでかい更新を放り込んでいったのが印象的でした。YouTubeで公開されるPVでの先出しやアオリ方もうまい。

こういう、「物語以外のガワ」で物語はどこまで面白くなるんだろう?というのをめろんさんと語ってみたいと思っています。
めろんさんはガワと中身ってあんまり切り離せなくて、モノとしての本を(中身と同時に外も)つくることを大事にされています。すごくよく分かる。

思い返してみると僕も昔から安部公房の『箱男』とか三崎亜紀の小説に出てくる変な表やイラスト、設定資料みたいなものにとても引かれていました。『はてしない物語』の、(物語とシンクロする)アウリンのついた表紙の装丁にうっとりもしていました。なんというのか「その本でしかありえない」体験ができるんですよね。
左巻キ式ラストリゾート

めろんさんの『左巻キ式ラストリゾート』の小口には「NO!NO FUTURE」と書かれていて、これが面白いのですが、私家版の『ディスクロニアの鳩時計』の装丁も楽しみにしているところです。
※『左巻キ』で目を引かれるのは最初の見開きの擬音の大群ですけど、いろんな意味でここでは掲載を控えておきます
エリーツ8
▲文学系ロックバンド「エリーツ」による同名の同人誌8号目(スランプ特集)ではタイトルを箔、小口の部分が黒く仕上げられている

考えると物語は本来、小説や脚本といった文字だけ(モノによっては音声や仕草から始まるでしょうが)なのに、そこに本なら装丁・紙質だったり、映像やゲームならキャラクターの外見・UI、外部のイベントの巻き込みなどいろんな「ガワ」も設計する必要が出てきます。

めろんさんの場合、そこもご自身でやられているわけで、そんなめろんさんと「デザインが物語をどう変えるのか?」語りたいと思っています。


店舗の現地にお越しいただいても大丈夫です。まだまだ参加者の方を募集していますのでぜひお申し込みください。
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平田 提
(Dai Hirata)

DIY BOOKS店主。株式会社TOGL代表取締役社長。Web編集者・ライター。秋田県生まれ、兵庫県尼崎市武庫之荘在住。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。ベネッセコーポレーション等数社でマーケティング・Webディレクション・編集に携わり、Webサイト・メディアの立ち上げ・改善やSEO戦略、インタビュー・執筆を経験。2021年に株式会社TOGLを設立。2023年10月からDIY BOOKSを開店。リソグラフを使ったZINEづくりなどを続けている。

株式会社TOGL

Instagram@diybooks