書籍『木ひっこぬいてたら、家もらった。』について

生きづらければ、つくるのだ。
尼崎「ガサキベース」の店主・足立さんは、300 坪の土地と2軒の家をほぼゼロ円でもらった。それは足立さんがどん底を経験しながらも、つくり続けたから生まれたお話。
「経済合理性」は、一つじゃない。
生きづらさを抱え「つくれる本屋」を開いた著者との対話から、生き方を探る一冊。
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兵庫県尼崎市のガサキベース。工場をリノベーションしたその場所は、コーヒーも飲めるし、DIY を教えてくれる不思議な場所。
店主の足立繁幸さんはガサキベースの縁で島根の家を1 軒タダで譲り受け、その家の木を引っこ抜いていたら、うしろのもう1 軒ももらうことに。
どうしてそんなできごとが起こったのか?足立さんの幼少期からの生きづらさ、家族・DIY・仕事・お金……現代人に共通する悩みとともに紐解いていきます。
つくれば人とモノの縁がつながる。
▼ 話し手
足立 繁幸(あだち・しげゆき)
島根県生まれ。尼崎でガサキベースを開き、DIYをデリバリーで行い、つくり方を教える。2025年以降はもらった島根の2 軒の古民家を改造して新しい拠点をつくる予定。
▼ 聞き手
平田 提(ひらた・だい)
秋田県生まれ。Web 編集者・ライター。尼崎に「つくれる本屋」DIY BOOKS を2023 年10 月に開店。その際に足立さんと出会う。ZINEの作り方のスクールなどを開催。
仕様
四六判/144p/カバー・帯あり/1,760円(税込)
『木ひっこぬいてたら、家もらった。』イベントの時系列・登場人物(敬称略)
- 1980年: 足立繁幸、島根県に生まれる。
- 幼少期(足立)
- 祖父の影響でDIYに親しむ
- 家族は米や野菜を育て、自然の中で生活
- 小学生時代(足立)
- 両親の夫婦喧嘩が増え、祖母も加わり家庭内が荒れる
- スーパーマリオブラザーズに夢中
- 孤独感を味わう
- 中学生時代(足立)
- やんちゃな時期を過ごす
- この頃からDIYを始める
- 承認欲求が強く、モテるために部屋を飾る
- 高校生時代(足立)
- ファッション誌を参考にインテリアに興味を持つ
- アルバイトで得たお金で家具を揃える
- 専門学校時代(足立)
- インテリアデザインの専門学校に進学するも、自分には合わないと気づく
- 卒業後、グラフィックデザインの仕事を探す
- 風俗業界の会社勤務(足立)
- グラフィックデザイナーとして就職するも、風俗業界のポスター制作に従事
- 短期間で退職
- 派遣社員として引越し会社勤務(足立)
- 派遣登録後、引越し会社に勤務
- オフィス家具の施工を担当する一人親方と出会い、意気投合
- 足立繁幸が共同で会社を設立(ガサキベースの前身)
- 引越しとオフィス家具の解体・組立をワンストップで行う会社を設立
- 大手引越し会社とも提携し、事業を拡大
- 2014年: 会社の一企画として「ガサキベース」が兵庫県尼崎市潮江に誕生。
コンセプトは「グッドパーツ・アンド・ヒントマーケット」。DIYパーツ販売とヒントの提供を開始。 - 2015年頃
- 足立繁幸、当時の家族と別れ、一時車中生活を送る
- 「カクカクした生き方」への疑問が爆発し、転機を迎える
- 2015年頃(桃子との出会い)
- ガサキベースのFacebook企画で桃子が2000番目の「いいね」を押したことがきっかけ
- 足立は桃子を「シールド系女子」と評す
- 桃子は足立を「調子の良い人」と感じる
- ガサキベースを買い取る
- 会社方針とDIYへの思いのズレから退職
- 退職金でガサキベースを事業ごと買い取る
- 6LDKの一軒家を借りる
- ガサキベースの在庫を運び込み、友人とシェアハウス生活
- 吉田悦造商店との出会い →「カブキモノヴィレッジ」誕生(2016年7月)
- 吉田商店の敷地内に複数店舗が集結し開業
- 「uraniwa coffee」などが入居
- 2017〜2018年頃: 尼崎に変化の兆し。ガサキベースの影響で人の繋がりが濃密に。
- 新型コロナ流行 → カブキモノヴィレッジ解散
- 戸ノ内の工場へ移転
- 親族の紹介で工場物件を購入
- クラウド&アナログファンディングで資金調達しDIY改装
- 工場DIY
- 最初の1ヶ月で寝室・洗濯場・1階トイレを完成
- 友人やお客さんが手伝いに来る
- 桃子と結婚
- 「事故に遭った時に病院で立ち会えない」という言葉をきっかけに婚姻届提出
- ガサキベースの権利を桃子へ譲渡
- 桃子がカフェ併設スタイルを確立
- 約2年半前: 足立と桃子、里親登録。「今の世の中は大人から見ても良くない」との思いから里子の一時預かりを開始。
- 里子Aさんとの出会い
- 緊急の一時保護依頼を受け入れ
- 当初は無口だったが、生活を通じて活発になる
- 2023年夏
- 島根県江津市の物件を常連客から譲り受ける
- 庭の伐採・抜根作業が地元で話題となり、隣接する空き家も無償譲渡される
- 2023年: 平田提、尼崎に「つくれる本屋 DIY BOOKS」を開店。
- 現在: 島根での拠点づくりを進行中。カフェ・ギャラリー・工房・宿屋・動物小屋・畑・果樹園などを計画。
- 2024年1月23日: 足立繁幸、あとがきを執筆
- 2024年12月: 平田提、島根の足立宅を訪問し木を抜く体験
- 2025年3月31日: 『木ひっこぬいてたら、家もらった。』初版発行
- 2025年4月: ガサキベース閉店。足立繁幸と桃子、島根に拠点を移す予定
キャスト
足立繁幸(あだち しげゆき)
- 1980年島根県生まれ
- 尼崎「ガサキベース」の番頭。現norosi
- DIYを「個人のおごそかな祭り」と考えている
- 妻・桃子と共に里親活動を継続
桃子(ももこ)
- 足立繁幸の妻
- ガサキベース共同経営者
- DIYを習得し、カフェ運営を確立
- 里子の一時預かりに積極的に関与
平田提(ひらた だい)
- 1983年秋田県生まれ
- 文筆家・ウェブ編集者、株式会社TOGL代表取締役
- 2023年に尼崎で「DIY BOOKS」開店
- 本書執筆者
Aさん
- 足立繁幸と桃子が一時預かりしている里子
- ガサキベースのDIYを手伝った経験あり
その他の人物
- 川嶋さん: 就労支援施設「Cdots.」などのオールドルーキー社長
- 西村周治: 西村組。廃屋リノベーションを行う「廃屋ジャンキー」。刊行前イベントに参加。
- 宮村雄大: 元「uraniwa coffee」主宰、現「OMO&コーヒー」経営
- 名和親房: 尼崎の大工
- 若狭健作: 地域環境計画研究所代表、「みんなの尼崎大学」運営などにかかわる
- 藤本遼: 「株式会社ここにある」代表
- 吉田悦造: 材木屋「吉田悦造商店」経営者
- 中本翔平: ガサキベースでコーヒーを淹れる人物
- 松本眞: 尼崎市長。刊行前イベントに参加。
- おぼけんさん: 雑誌『新百姓』編集長。刊行前イベントに参加。
足立サイド
DIYとガサキベースを通じた再構築
- ガサキベースの誕生と変遷
ガサキベースは元々、足立さんが勤めていた会社の事業の一環として、「おしゃれでクリエイティブな空間」を作ることで求人の幅を広げるという目論見で始まりました。
しかし足立さんはとあるきっかけから、ガサキベースを事業ごと買い取り、自身の人生の表現の場となっていきます。 - DIYの哲学への深化
足立さんはDIYを単なる「日曜大工」や「おしゃれ」なものとしてではなく、「自分の生活を自分でつくる」という概念として捉えるようになりました。
ガサキベースは、DIYの相談に訪れる人々が、ものを「つくる」ことを通じて自分自身の答えを見つける手助けをする「寺子屋的スペース」へと変化。
彼は効率を重視せず、人々が試行錯誤する姿を「待つ」ことを大切にしています。 - 「ヒント」の提供
ガサキベースの看板には「グッドパーツ・アンド・ヒントマーケット」と書かれており、とりわけ「ヒント」に思いが込められています。
型番で探し、ググってから行動する現代において、人々が自らの経験から答えを探し、「自分でつくる」喜びを再発見できるような場を提供したいと考えていました。 - 愛と繋がりの表現
足立さんはDIYが「愛と繋がっている」という仮説を立てています。
焼野原になっても自らの手で再構築しようとする大人、あるいは自分で作った弁当を美味しいと感じるように、DIYは「巣」を作るように自分自身への愛の表現でもあります。
新しい家族の形と社会への視座
- 桃子さんとの結婚
桃子さんと結婚後、足立さんはガサキベースの権利を彼女に渡しました。
自身の死後も活動が「脈々と流れる何か」として人に影響を残していくことを望んでいます。 - 里親という選択
桃子さんとともに里親制度に参加し、里子の一時預かりを実践。
これは「救ってあげたい」という気持ちではなく、「生きてる実態をここに確かめたい」という自己の存在意義を確認する行為として捉えられています。
里子には「自分の歪さに気づいても、自分なりの表現を見つけていってほしい」と願い、DIYを通じて「仕事の喜び」や「自分で得る喜び」を体験してほしいと考えています。 - 「白い球体」への抵抗
足立さんは、現代社会が「白くて完全な球体になることが良い」と思い込ませ、本質的な人間の感覚を押し殺していると考えています。
人それぞれに合った形や生き方を自分でこしらえていくべきだと訴えています。 - 「死なせる」ことと「波紋」
2025年4月にガサキベースを閉じた足立さんは、「ちゃんと死なせたかった」という思いを持っていました。
終わることを前提に営業することで、一人ひとりのお客さんとより敬意を持って接し、関係性を深めることができると考えたのです。
彼は、自身の活動が誰かに影響を与え、「波紋」が広がる景色を見たいと願っています。 - 島根への帰郷と「木」のような存在
50歳くらいで「朽ち果てる」イメージがあると語る足立さん。
ガサキベース閉店後は故郷の島根に戻り、宿屋と店が一体となったような空間をつくる計画をしています。
最終的には「木」のように、名前がなくても「あの木」と認識され、人が集まる存在になりたいと考えています。
やがて枯れて土に還り、姿がなくなっても「ちゃんといる」ような中立的な存在として死にたいと願っています。
平田サイド
学びと気づき
著者の平田は、足立さんの生き方やDIYを通じた活動から、現代社会における「生きづらさ」の根源と、それに抗い自分らしい生き方を再構築するための具体的な「ヒント」を得ました。
この本の執筆動機も、そうした経験を多くの人に伝えたいという思いから来ています。
- 「ブルシットジョブ」からの解放とDIYへの回帰
- 独立後、売上と利益拡大を追求する中で疲弊し、「クソどうでもいい仕事(ブルシットジョブ)」ばかり増えていると感じるようになった。
- 人生が「外注」されすぎていると気づき、「人生はDIY(DIM=DO IT MYSELF)なのに、外注してしまっている」という認識に至る。
- 儲けを考えずにつくっていたZINEに「生きている実感」を思い出し、アナログでローカルな仕事に生きがいを見出した。
- 「根」を張ることの重要性と故郷への思い
- 自身を「根無し草」と感じ、帰る場所がないことに涙した経験がある。
- 足立の島根への帰郷を通して、「根」とは地域や家族との繋がり、生きている実感の積み重ねだと理解。
- 社会は個人の「根」に支えられているという比喩的理解を深めた。
- 「経済」と「論理的思考」の再定義
- 「経済」が元来「Oikonomia=家政」に由来し、「家」や「家族」「人を助ける」意味を持つことを学んだ。
- 経済合理性が金銭的な面ばかりに偏っていることに疑問を持ち、「作ること」が縁を生み、結果として経済的効果も生むと実感。
- 論理的思考は国や宗教観で異なり、「経済の論理は一つの論理にすぎない」と多角的視点を得た。
- DIYの哲学と生きる実感
- DIYを「自分の生活を自分でつくる」哲学的概念として捉える。
- 「つくる」行為は感覚や暮らしに跳ね返り、生きる実感を与えると理解。
- 足立のDIYを見て「親鳥が雛を巣立たせるようだ」と感じ、DIYが安心感や術を伝える手段だと悟る。
- DIYは「個人のおごそかな祭り」という足立の言葉に共感。
- 情報過多社会におけるアナログと人との繋がり
- デジタル作業に疲弊し、アナログや人との直接的な関わりを「人間的で健康的」と考えるようになった。
- AIや検索がすぐ答えを与える時代に、「自分で答えを探す」ことの重要性を再認識。
- 目的なく人と話せる「はざまの空間」が不足していると感じ、ガサキベースの価値を見直した。
- 足立繁幸との出会いによる変化
- 「確かに僕は変わった」と明言。DIY BOOKSの立ち上げを足立に手伝ってもらい、自ら工具を買って什器を作るようになった。
- 足立の「効率を重視せず、他人の試行錯誤を待つ」仕事の姿勢に感銘を受けた。
刊行前イベントの様子
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